DJのジャンル入門|ハウス・テクノ・ヒップホップ・R&Bの違い

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「ハウスとテクノは何が違うのか」——DJ のジャンルは名前を知っていても、違いを言葉にしにくいものです。本記事ではハウス・テクノ・ヒップホップ・R&B を成り立ち・リズム・繋ぎ方・サブジャンルの 4 軸で並べ、最初の 1 ジャンルの選び方までまとめます。前提はDJ の BPM とキーの基礎DJ の始め方ロードマップへ。

この記事の内容

4 つのジャンルの成り立ち|発祥地と年代

ハウス|シカゴ発

1980 年代前半のシカゴで生まれたとされます。ディスコの後を継ぎ、クラブの DJ やプロデューサーがドラムマシンでそのリズムを作り直したのが出発点。名前はシカゴのクラブ名を縮めた呼び名とされますが諸説あります。ソウル系のボーカルやピアノの響きが残ります。

テクノ|デトロイト発

ほぼ同じ 1980 年代半ば、デトロイトで生まれました。ヨーロッパの電子音楽の影響を受けた郊外の高校の同級生 3 人が始めたとされ、名前は 1988 年に英国で出たコンピレーションで定着したと言われます。ボーカルは少なく、シンセの音色と反復が主役です。

ヒップホップ|ブロンクス発

1970 年代前半のニューヨーク・ブロンクスで生まれ、1973 年 8 月 11 日のパーティーが起点とされます。DJ が同じレコード 2 枚を交互にかけ、ドラムだけの区間(ブレイク)を繰り返し延ばしたのが原型。DJ・MC・ブレイクダンス・グラフィティの 4 要素で語られます。

R&B|呼称から歌モノの系譜へ

1940 年代末に米国で使われ始めた黒人音楽の総称で、Billboard が 1949 年 6 月にチャート名として採用しました。DJ が今日「R&B」と呼ぶのは 1980 年前後から広がったコンテンポラリー R&B で、ドラムマシンとヒップホップ寄りのビートに滑らかな歌を乗せた「歌が主役の系譜」です。

ジャンル発祥地年代BPM 帯の目安基本リズム
ハウスシカゴ1980 年代前半118〜130四つ打ち
テクノデトロイト1980 年代半ば120〜150四つ打ち
ヒップホップニューヨーク1970 年代前半80〜100ブレイクビーツ
R&B米国呼称は 1940 年代末スロー 60〜80/ミッド 80〜110/アップ 110〜130バックビート+スウィング

BPM は出典で幅が割れるため広めに取った目安です(詳細はDJ の BPM とキーの基礎)。

リズムの違い|四つ打ち・ブレイクビーツ・ハーフタイム

紫のネオンに照らされた DJ 機材のジョグに手を添えている様子

四つ打ち(ハウス・テクノ)

1・2・3・4 拍すべてにキックが入るディスコ由来のリズムです。ハウスは裏拍のハイハットで跳ね、テクノは反復で押し続ける印象と言われます。拍が常に鳴るのでビートマッチがしやすい型です。

ブレイクビーツとブーンバップ(ヒップホップ)

ファンクやソウルのドラム区間(ブレイク)を繰り返すリズムで、キックの位置は曲ごとに変わり、2・4 拍目のスネアが強調されます。1990 年代前後のニューヨークで主流になった「ブーンバップ」が代表です。

ハーフタイム(トラップ系)

スネアを 3 拍目だけに置き、体感テンポを半分にする作り方です。トラップは 140 BPM 前後で解析されても体感は 70 で、ヒップホップ 80〜100 の曲と「倍・半分の関係」で拍が揃います。

スウィングとレイドバック(R&B)

スウィングは細かく割った拍を長い・短いで交互に置いて跳ねさせるやり方で、R&B やヒップホップに多く含まれます。レイドバックはスネアや歌がわずかに遅れて聞こえる感触で、ネオソウルの歌が典型です。

K=キック、S=スネア、H=ハイハット、→=わずかに遅れる。典型例で、実際の配置は曲ごとに違います。

11 裏22 裏33 裏44 裏多いジャンル
四つ打ちKHKHKHKHハウス、テクノ
ブーンバップKSKKSヒップホップ
ハーフタイムKSトラップ、ドリル
スウィングKH→SH→KH→SH→R&B、ローファイ

繋ぎ方の違い|ロングミックスとカットイン

青い照明の中で DJ 機材を操作する手元

ロングミックス(ハウス・テクノ)

四つ打ち同士は拍が揃うので、2 曲を 16〜32 小節重ねながら EQ(帯域ごとの音量調整)で低音を入れ替え、フィルターで少しずつ移すのが主流です。ベースを同時に鳴らすと濁るので低音は片方ずつ。

カットインとクイックミックス(ヒップホップ・R&B)

歌やラップが主役の曲は長く重ねると歌がぶつかるため、小節の 1 拍目でクロスフェーダー(2 台の音を切り替えるフェーダー)を一気に切る「カットイン」や、8 小節以下に収める「クイックミックス」が主流です。バックスピンやスクラッチを合図に添えることもあります。

ダブルドロップ

2 曲のいちばん盛り上がる位置(ドロップ)を同時に迎えるよう合わせる手法で、ドラムンベースの代名詞的な技とされます。

ワードプレイ(ヒップホップ・R&B)

前の曲の歌詞やタイトルの単語を次の曲で受ける繋ぎで、歌モノならではの技です。同じ単語やテーマの曲を並べると、拍を重ねなくても意味で流れがつながります。

手法繋ぐ長さの目安主なジャンル難易度
ロングミックス16〜32 小節ハウス、テクノ低〜中
カットイン1 拍ヒップホップ、R&B
クイックミックス8 小節以下ヒップホップ、テックハウス
ダブルドロップドロップを揃えるドラムンベース
ワードプレイ1〜2 小節ヒップホップ、R&B
エコーアウト2〜4 小節BPM が離れた曲

サブジャンルの地図

ハウスの系統

ディープハウスは厚いコードで落ち着いた質感。テックハウスはテクノの硬いキックを取り込み、現在のクラブで多い系統。プログレッシブは数分かけて層を足し、アフロハウスは南アフリカ発の打楽器的なリズムが特徴です。

テクノの系統

ミニマルは要素を削ぎ落とし反復で聴かせ、アシッド系はシンセベースのうねる音色が主役。ハード/インダストリアルは歪んだキックと金属的な打音で、テクノで最も速い帯です。

ヒップホップの系統

ブーンバップは生ドラムのサンプルが土台。トラップはアトランタ発のハーフタイムで現在の主流、ドリルはその派生で暗く重い系統。ローファイは粗い音質と揺れたドラムで、シーシャと音楽の相性でも触れた系統です。

R&B の系統

ニュージャックスウィングは 1986 年頃に歌とヒップホップのリズムを合体させた系統。ネオソウルは 1990 年代後半の生楽器とレイドバックした歌、オルタナティブは 2000 年代半ば以降の電子的な作り、スロウジャムは遅いバラードです。日本語や韓国語の R&B も、言語が違うだけで同じ系譜です(聴く側のガイド)。

サブジャンルBPM の傾向
ハウスディープ118〜125
ハウステック122〜130
ハウスプログレッシブ122〜130
ハウスアフロ118〜126
テクノミニマル124〜130
テクノハード/インダストリアル130〜150
ヒップホップブーンバップ85〜95
ヒップホップトラップ140 前後(体感 70)
ヒップホップドリル140 前後(体感 70)
ヒップホップローファイ70〜90
R&Bネオソウル65〜100
R&BオルタナティブR&B と同じ幅
R&Bスロウジャム60〜80

初心者が最初のジャンルを選ぶ 3 つの軸

軸 1|繰り返し聴いている曲

「手元に 30 曲集められるか」で決めるのが現実的です。再生履歴でいちばん多いジャンルがそのまま候補。「好きな音楽から始める」は複数の DJ 教材に共通する助言です。

軸 2|機材と繋ぎ方の相性

2ch コントローラーならどのジャンルでも成立します。ただしヒップホップはクロスフェーダーとジョグ、ハウス・テクノは EQ とフィルターの操作が中心。本格的なスクラッチはバトルミキサー向きですが、最初は手持ちで十分です。

軸 3|通える現場の音

飛び入り枠のある DJ バーは店ごとに鳴りやすいジャンルが違います。初現場の前に SNS で傾向を確かめ、合うジャンルから始めると馴染みやすくなります。

迷ったらハウスかヒップホップ

四つ打ちの代表としてハウス、ブレイクビーツの代表としてヒップホップが無難です。ハウスはテクノより歌やコードの手がかりが多く、ヒップホップは曲が短く聴き慣れている人が多いのが理由。複数の DJ 教材が「四つ打ちはビートマッチしやすい」で一致しています。正解はなく、まず 1 つ決めることが大切です。

「はい」が多い側から。

軸 1|曲

  • 好きな曲が 30 曲以上ある
  • 再生履歴の上位が 1 ジャンルに偏っている
  • そのジャンルの新曲を毎月追っている

軸 2|機材(ハウス・テクノ寄り)

  • 歌モノより展開の長いトラックが好き
  • EQ やフィルターの操作が楽しい
  • スクラッチの派手さにはこだわらない

軸 3|現場(ヒップホップ・R&B 寄り)

  • 通える DJ バーでヒップホップや R&B が鳴っている
  • 歌詞やラップで流れを作る繋ぎに惹かれる
  • 客として通う店の音を自分でも回したい

ジャンルを決めたら次にやること

同じジャンル・近い BPM で 10 曲

BPM とキーの記事の「BPM 差 5 以内・キー 3 パターン」をジャンル内で当てはめ、最初の 10 曲を作ります。

主流の繋ぎ方だけを 1 ヶ月

ハウス・テクノならロングミックス、ヒップホップ・R&B ならカットインとクイックミックス。両方を同時にやらず 1 つに絞るほうが身につきます。

  1. 同じジャンルで 10 曲を揃える
  2. 主流の繋ぎ方を 1 つ決めて 1 ヶ月続ける
  3. 30 分を録音して聴き返す

【FAQ】DJ のジャンルでよくある質問

Q1. ハウスとテクノの違いは

どちらも四つ打ちです。ハウスはディスコやソウルの流れでボーカルやピアノが残り、テクノは電子音と反復が中心でボーカルが少なめ。BPM はテクノのほうが速い曲が多い傾向です。

Q2. ヒップホップと R&B の DJ の違いは

ビートの系譜は近く、どちらもカットインやクイックミックスが主流です。ヒップホップはラップ、R&B は歌が主役で、R&B のほうが遅くスウィングの強い曲が多め。現場では混ぜて回されることも多いジャンルです。

Q3. 初心者に繋ぎやすいジャンルは

技術面では四つ打ちのハウスが拍を合わせやすく、複数の教材が一致しています。モチベーション面では好きなジャンル。練習は四つ打ち、回す夜は好きな曲、と分けても構いません。

Q4. 最初は 1 つに絞るべきですか

最初の 1〜3 ヶ月は 1 つに絞ると繋ぎ方が身につきやすくなります。30 曲を超えて 30 分を通せるようになってから、ハウスならテクノへ、と隣のジャンルに広げるのが目安です。

Q5. トランスやドラムンベース、ダンスホールは

トランスは四つ打ちでテクノ・ハウスの隣、ドラムンベースはブレイクビーツの高速版、ダンスホールはレゲエ系のリズムでヒップホップ・R&B の現場と相性がよい音です。

Q6. ジャンルをまたいで繋ぐには

BPM が近ければ EQ で低音を入れ替えて繋ぎます。離れていれば倍・半分の関係(体感 70 のトラップ 140 など)を使うか、エコーアウトやフィルターで一度落として切り替えます。

Q7. 曲のジャンルはどう判定しますか

配信ストアのカテゴリや DJ ソフトのジャンルタグが目安です。ただし境界は曖昧なので、四つ打ちか、ブレイクビーツか、ハーフタイムかのリズム型で聴き分けるほうが実用的です。

まとめ|リズムと繋ぎ方で見分ける

ハウス・テクノは四つ打ちでロングミックス、ヒップホップ・R&B はブレイクビーツ系でカットインとクイックミックス。最初の 1 ジャンルは「30 曲集まるか」「機材と繋ぎ方が合うか」「通える現場で鳴っているか」で選び、決めたら 10 曲・1 手法・1 ヶ月です。

吉祥寺で現場を体感するなら NEXIA へ

聴く側として確かめるのも選び方の一つです。Shisha&Music Bar NEXIA の FREE DJ DAY(毎週月曜・金曜 19:00〜、チャージ ¥500 + 1 オーダー、1 人最大 1 時間の交代制)は DJ が入れ替わるので、一晩で複数のジャンルに触れられます。土曜は NEXIA DJ NIGHT。これまでのイベントは HIPHOP / R&B 系が中心で、予定はNEXIA の DJ ページと Instagram でご確認ください。

  • 住所:東京都武蔵野市吉祥寺南町2-2-4 吉祥寺南町ビル 3F
  • アクセス:JR 吉祥寺駅 公園口から徒歩 2 分
  • 営業時間:月・火・金・土・日 15:00〜翌 5:00 / 水・木 19:00〜翌 5:00
  • 席・設備:カウンター 8 席、Pioneer DJ XDJ-RX3 常設
  • 料金:シーシャ ¥2,500 / チャージ ¥500
  • Instagram@nexia_kichijoji

今かかっている曲がどのジャンルか当ててみてください。20 歳未満の方はシーシャ・酒類をご利用いただけません。